こんにちは。tsumuri です。
ようやく見れた「空気人形」が心にずんと響いたので感想を書きます。
映画「空気人形」とは、
- 主人公は、「ラブドール」
- 監督は「ワンダフルライフ」、「誰も知らない」の是枝 裕和監督
- 原作は20ページほどの短編漫画
- キャッチフレーズは、“心をもつことは、切ないことでした”
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目次
空気人形
2009年に公開された日本映画。
第33回日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞ぺ・ドゥナ
監督・脚本・編集/是枝裕和、撮影監督/リー・ピンビン。
普通の邦画とは一味違う世界観を感じる「空気人形」は、中身が空っぽのラブドールと心が空っぽの人間を描いたファンタジー要素溢れる作品です。
原作は、業田良家の『ゴーダ哲学堂 空気人形』という短編漫画集。
空気人形あらすじ(ネタばれアリ)
①心を持った空気人形
「ただいま。」
昼間はファミリーレストランで働く秀雄は、家に帰るなり声をかける。
食卓を2人で囲んでいるが、秀雄の向かいに座っているのは空気人形(ラブドール)だった。
のぞみと名付けた空気人形に話かけ、服を着せ、抱きしめ秀雄は幸せに過ごしていた。
ある日、動き始めた空気人形が窓際で手をかざし、屋根から落ちてくる水滴を手に受けキレイとつぶやく。
自由に動き始めた空気人形は、メイド服を着て外に出る。
外に出て始めて見る様々なものを眺めていたが、ふと、入ったレンタルビデオ屋で、スタッフの純一に恋をし、そこでアルバイトを始める。
家では秀雄との生活、外ではレンタルビデオ屋のアルバイトの生活の中で、様々な人に触れていく。
死を予感する国語教師、ニュースを調べては交番に行く未亡人、帰らぬ母を待つ親子、実家と折り合いのつかない過食症の女性など。
心を持ってしまったことで、切なさを知った。
ある日、アルバイト中に脚立から転落し、棚に手首をひっかけてしまう。
空気の抜け始めた自分を「見ないで」と純一に伝えるが、純一はテープで破れた箇所を貼り、おへその空気穴から息を吹き込む。
「もう大丈夫だから」と。
空気人形はそれがとても嬉しかっのです。
②家を出る空気人形
秀雄との時間が苦痛になり、階段下に隠れていると、秀雄は母親が勝手に家に来て空気人形を捨ててしまったと勘違いし、別の空気人形を購入する。
新しい空気人形がうちに来た記念日を誕生日として祝っていた秀雄に詰め寄ると、「元の人形に戻ってよ。」と言われ、家出をする。
空気人形は自分を生み出した人形師に会いに行きます。
なぜ心を持ったか?という問いに人形師は分からない。と答え、廃棄処分予定の人形を見ながら、「みんな違う顔をしている。愛されたかが表情に刻まれる。」といいます。
行きつく先を人形は燃えないゴミ、人間は燃えるゴミだとも伝えます。
君の見た世界に美しいものはなかった?と聞かれ空気人形をキレイにしてくれます。
空気人形は「生んでくれてありがとう」と言いその場を後にします。
その後、空気人形は自分が人形だと知っても、変わらずに接してくれた純一のところにいきます。
「なんでもする」と伝えると、純一は「空気を抜かせてほしい」と伝えます。
空気人形はそれを受け入れ、空気を抜かれ、純一の息でまた空気を入れられます。
自分を受け入れてくれた純一にお返しがしたいと思った空気人形は、自分の空気穴と同じ位置に穴を空け空気を入れようとします。
以前、「中身が空っぽの人は結構いる。僕も同じようなものだ。」と話をしたことで純一も同じ空気人形だと思っていたのです。
穴を空けられた純一は苦しみます。
空気人形は慌ててテープで塞ごうとしますが、血が止まらず、純一は息絶えてしまいます。
翌朝、燃えるごみの袋に純一を詰めて出し、自分も燃えないゴミの集積所に、集めたビンやリンゴを並べそっと自分も横たわりました。
空気人形 登場人物
- 空気人形…ぺ・ドゥナ
- レンタルビデオ店員・純一…ARATA
- 秀雄…板尾創路
- 元国語教師の老人・敬一…高橋昌也
- 受付嬢・佳子…余貴美子
- レンタルビデオ店長・鮫洲…岩松了
- 過食症の女性・美希…星野真里
- 近くに住む親子父・真治…丸山智己
- 近くに住む親子娘・萌…奈良木未羽
- スカートを覗きたい浪人生・透…柄本佑
- 派出所警官・轟…寺島進
- ファミレス店長…山中崇
- 人形師・園田…オダギリジョー
- 未亡人・千代子…富司純子
空気人形 感想
ぺ・ドゥナの身体が本当にキレイ
主演のぺ・ドゥナが空気人形(ラブドール)役ということもあり、裸のシーンが結構出てきます。
セクシーな身体つきと言うよりは、スレンダーでキレイだなという印象です。
これだけで一見の価値があるようにも思います。
心の在り方
人形が心を持って、人を好きになる。
という一見ファンタジーの美しい映画に思われますが、人形が持ったのは純粋な心だけ。
なので、人間社会における知識や、生物の構造なども知りません。
自分が「人間とは違う」と分かっていても、実際に細かく何が違うのかは理解出来ていないのです。
何が良くて、何が悪いのか、純粋だからこそ分からないことが美しくも感じますが、同時に恐怖でもあります。
恩返しがしたい一心でお腹に刃物を突き立てるなんて…。
幼少期の女の子が、気に入らないからと人形の腕をちぎるような恐怖を感じました。
しかし、恐怖を感じることよりも、「心」をより感じるのは劇中に登場する「生命は」という詩がこの映画のテーマの一つになっているからなんじゃないかと感じます。
エロティック
是枝監督のインタビュー記事で、純一が、空気の抜け始めた空気人形のおへその辺りから息を吹き込むシーンについてこんなことを仰ってます。
インタビュア:たしかにあのシーンは、実際に行為をしているわけではないのに、他のどのセックスシーンよりも、エロティックでした。他人の息を吹き込まれて生きる、というところに表面的なエロさではなく、もっと深いエロさがあったというか……。
是枝:あそこが一番エロくないとダメな映画なんです。それまでのヒデオ(板尾創路)とのセックスシーンは、ヒデオだけのもので、自己完結している。息を吹き込むっていうところが一番コミュニケーションになっていて、だからエロいんです。
https://www.cinra.net/interview/2009/09/18/000000
深いですね。
確かに、行為は相手の反応を感じられないと空しいものでしかありません。
コミュニケーションであるからこそのエロさ。
まとめ
いかがだったでしょうか?
映画を見た。
感動した。
それだけの動機で書いた記事ですが、興味があれば是非ご覧になってください。
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