こんにちはツムリです。
「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)を見ました。
樹木希林さんがお茶の先生役で出られていたんですが、希林さんはいつも自然体で、見ている人を映画の中にすっと引き込みますね。
「映画を見ている」というより、「体験している」気になってきます。(僕だけでしょうか。。。)
お茶を通して、四季に触れ、心に触れ、その在り方が心地よいものになっていきます。

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目次
「日日是好日」
公開 | 2018年 |
原作 | 森下典子 |
監督 | 大森立嗣 |
脚本 | 大森立嗣 |
本編 | 100分 |
出演 | 黒木華 樹木希林 多部未華子 原田麻由 川村紗也 滝沢恵 山下美月 郡山冬果 岡本智礼 荒巻全紀 南一恵 鶴田真由 鶴見辰吾 |
「日日是好日」あらすじ

真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょい。そんな
大学生の典子(黒木華)は、母親からお茶を勧められ、いとこの美智子(多部未華子)と一緒に武田のおばさん(樹木希林)のところでお茶を習い始める。

初めて入った茶室で2人は「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)と書かれた掛け軸を見つけ、読み方や意味を考えるが分からなかった。
また所作のすべてに意味を求めてしまうが、先生は「お茶は形から、始めに入れ物を作っておいて後から心が入るもの」と教わり、頭で考えてしまうからそうなるんだねと言われ少し腑に落ちない2人だった。

近所のおばさんだった武田さんが、武田先生になり、典子は先行きの不安を感じていた。
二カ月が経ったが、まだ2人は頭で考えながらお茶の稽古を続けていた。
稽古は回数、習うより慣れろという武田先生の教えに2人は悩んでいた。
8月は稽古がお休み、その間に美智子は海外旅行に行くため、9月の最初の稽古は典子一人だった。
そのお稽古で典子は、頭で考えずに手が勝手に動く感覚を知る。

稽古の中で身体に染み込んだ動きを知り、嬉しくなるが、季節が変わると、冬のお手前に変わり、また1から覚えることをいじわるされたみたいと嘆いていた。
子供の頃に見た「道」という映画を久しぶりに見て「この映画で感動出来ない人生なんてもったいない」と思うくらい感動した。という。典子に対し、美智子は「それで?」と質問するが、特にその先質問の答えは見当たらなかった。
美智子は「お茶ってそういうものかもしれない」といい典子に「あんたお茶すきでしょ?」と聞くが典子は「そんなことないよ。」と返しながらも胸の奥にあった思いを見つめ直していた…。
「日日是好日」見どころ

日々是好日の意味
日日是好日(にちにちこれこうじつ・にちにちこれこうにち)。
映画のタイトルの方では「こうじつ」と呼んでいましたが、調べると「こうにち」でもどちらでも読むようですね。
これは、中国の雲門禅師という方が残した言葉で、「毎日が好い日」という見た目通りの意味でもありますが、問題は「好い日」が何を表わすのか。ということ。
禅師の仰った禅語なので、悟りの意味が含まれてきます。
人間が思う良い悪いには、損得勘定だったり優劣に捕らわれた感情が多く含まれます。
- 儲かった→好い日
- 損をした→悪い日
- 晴れた→好い日
- 雨→悪い日
このような良し悪しのしがらみを取っ払ってしまえば、毎日が本当の意味での好き日になるという意味です。
映画の中では、すべてを受け入れて感じようという意味合いになっています。
雨の日は雨を聞く。雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを、冬は身の切れるような寒さを。五感を使って全身でその瞬間を味わう。
日日是好日公式HP
樹木希林さん助演女優賞受賞
2018年9月15日に亡くなった樹木希林さんは、『モリのいる場所』『万引き家族』『日日是好日』で、『第43回報知映画賞』助演女優賞を受賞しました。
娘で女優の内田也哉子さんが、都内で行われた授賞式に代理で出席し「死人に賞をあげるなんて物好きねえ。賞金はいくら。と憎まれ口を言っていると思います」と母の気持ちを代弁した。
DORAMA&MOVIE
掛け軸に込められた意味
茶室に飾る掛け軸には大きく二つの意味があります。
- 茶席の趣旨や目的・亭主の心構え
- 季節の演出
茶道の精神を象徴する言葉として、「日日是好日」が使われることは少なくない。
茶室用ではなさそうですがかわいい掛け軸もありました。
劇中で使われた掛け軸
「日日是好日」から始まりますが、たくさんあるのでいくつか抜粋してみました。
薫風自南来(くんぷうみなみよりきたる)
南から吹いてくる爽やかな風が、全てのものの心を爽やかにしてくれる、そんな様子を表している。
2人の初めての稽古の日、新しい風を2人が運んできてくれたような気がしない?と武田先生も仰ってましたね。
清流無間断(せいりゅうかんだんなし)
清い流れが絶え間なく流れるように、常に活動をしているものは、よどみがなく
清らかである。また、不断の努力を意味するとも言われています。
お茶の稽古を始めて二カ月が経ち、頭で考えるのではなく、稽古の反復によって慣れよと指導された際に掛け軸は「清流無間断」でしたね。
努力の始まりを示唆していたのでしょうか。
掬水月在手(みずをすくえばつきてにあり)
夏休みがあり、ひと月稽古を休んだ後、久しぶりに教室を訪れた際に飾ってあった掛け軸。
光は誰にでも注がれるから安心してください。という意味があります。
水面に浮かぶ月は一つだが、手で水を救うと手の中にも月が現れるという情景を表現しています。
凄く詩的でキレイですね。
風従花裏過来香(かぜ かりより すぎきたって かんばし)
三度目のお稽古のときに飾られていた掛け軸です。
花のそばを通り抜けた風がその香りを運んでくるという意味があり、この掛け軸の前に花(桔梗でしょうか?)があるところがまた素敵な演出ですね。
瀧(たき)
見たままの瀧です。笑
典子もこの字を見て瀧をしっかりと瀧をイメージしていました。
掛け軸を頭で読まずに見たままを感じればいいと知った場面でした。
達磨画(だるまえ)
武田先生が典子の就職祈願として飾ったもの。
達磨は、七転び八起き、そして必勝や祈願の意味も込められるようになりました。
聴雨(ちょうう)
雨の日は雨を聞く。
劇中でも様々な季節の雨が登場しますが、物語が進むにつれその音の違いが少しづつ分かるようになってきます。
そして、どしゃぶりの雨音を聞きながら父に感謝を告げます。
ここが一番の「日日是好日」の集大成だと思っています。
まとめ
原作森下さんのインタビュー記事にこんなものがありました。
「心の中に重たいものを抱えているとき、人間関係のしがらみに悩んでいるとき、茶道教室で“なぞなぞ”の気付きに出会うと、靄が一緒に消えてくれるんです。そんなとき、今日は来て良かったと思う。帰り道は風が気持ちよく、また空の高さを感じます。こんな感覚を味わって欲しいと思います」。(原作者 森下典子さん)
https://sunchi.jp/sunchilist/tokyo/76604#page
ここでいうなぞなぞとは、茶道は作法において細かい決まり事がたくさんありますが、使う道具や掛け軸 、お茶菓子などは驚くほど自由なようで、ここに遊び心を持ってくる方が多い。とのこと。
お茶菓子や掛け軸に、亭主の趣旨や目的をそっと忍ばせます。
「日日是好日」でも、典子の合格祈願に達磨画の掛け軸だったり、「風」とかかれた掛け軸(風従花裏過来香)の前に花を置いていたりと、亭主のちょっとした気遣いや趣向が見えます。
それをなぞなぞと捉えるとまたお茶の楽しみになるということです。
相田みつお
相田みつおさんの詩の中にも、「日日是好日」を題したものがありました。
「日日是好日(にちにちこれこうにち)」
ふっても てっても
日日是好日
泣いても わらっても
きょうが一番いい日
私の一生の中の
大事な一日だから
相田みつお
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