こんにちは。つむりです。
先日、ショーンコネリーさんの訃報を受け、もう一度彼の作品を見たくなりました。
何年振りかの鑑賞。
あまり評価は高くない映画ではあるんですが、僕は割と好きなんですよね。
entrapment(エントラップメント)の意味を調べると、「罠にかける」・「おとり捜査」と出てきます。
派手さはあまりないですが、泥棒ならではの騙し合いや駆け引きが印象的です。
※この記事にはネタバレも含まれますので、苦手な方はご注意下さい。
広告
目次
エントラップメント
公開 | 1999年アメリカ |
監督 | ジョン・アミエル(ザ・コア、コピーキャット) |
脚本 | ロン・バス |
本編 | 113分 |
出演 | ショーン・コネリー キャサリン・ゼタ=ジョーンズ ヴィング・レイムス ウィル・パットン など |
美術専門の泥棒であるマック(ショーン・コネリー)を罠にかける為に近づこうとする保険会社調査員のジン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)。
都市の差39歳の2人の駆け引きを楽しみつつ、セキュリティをかいくぐり美術品を盗み出すシーンも是非お楽しみください。
エントラップメントあらすじ
ニューヨークでレンブラントの名画が盗まれた。
犯人は全身黒づくめで、機器を使用し高層ビルの窓から侵入し、大胆にも絵を郵便物に混ぜて逃走。
その時、遠くから犯行の一部始終を見つめる人影があった。
盗まれた絵画がまた買い戻されるという事態が続くと「このままでは地方に飛ばされる」と懸念するヘクター(ウィル・パットン)にジンは犯人はマックだと言い彼を罠にかけるために会いに行く。
尾行を開始しますが、マックにはバレており、ジンは「美術品を盗み出すために協力して欲しい」と持ち掛けます。
慎重なマックは最初にテストを受けてもらうと言い、清朝の壺を盗んで来るようにジンに言います。
壺を偽物のカードで買おうとしたことで店の主人を怒らせ、ナイフを突きつけられたジンは持っていた壺で殴りつけ、中に入っていたフィルムだけ盗んで店を飛び出してきます。
そのフィルムには、美術品のマスクを盗み出す為に必要な設計図などが収められていました。
結果として、欲しかったフィルムを手に入れたジンを認め、自宅に連れて行くマック。
マックはジンに「個人的な感情は抜きで仕事をしないと、お互い捕まるか、死ぬ」といい、信頼以上の関係は持ち込まないと言い切ります。
翌日、意見が合わず、ロンドンに帰ってくれとうマックに、ジンは「レンブラントは私が盗んだ」と告白します。
盗んだ手口を一通り話した後で、マックはおもむろに一枚の絵をテーブルに広げます。
それは、ジンが盗み郵送しようとシュートボックスに投函したレンブラントでした。
マックはジンの行動を先読みし、投函されたレンブラントを盗み出していたのです。
その後「マスク」を盗み出す為のトレーニングに励むジン。
マスクの部屋に張り巡らされた赤外線を回避するために、その配置と移動の方法を身体に叩き込みます。
また、その部屋に侵入する際の爆破のタイミングも入念な打ち合わせが行われます。
そして、決行前日。
マックはパーティ用のドレスをジンにプレゼントします。
私からも何か贈りたいと家を出たジンが向かったのは公衆電話でした。ジンは保険会社のヘクターに連絡を入れます。
現在の状況を伝えますが、先々の情報は分かったら伝えると言い電話を切りました。
しかし、この電話はマックに傍受されていました。
翌日、宮殿のパーティー会場に向かった2人は、展示されていたマスクの前に、位置情報を示す機械を仕掛け、近くの湖からダイビングで宮殿の地下へやってきました。
打ち合わせ通りに12時の鐘に合わせて爆破と、展示場の床のくり抜き作業を行います。
警備員の巡回までに、ジンが展示場に上がり、赤外線のセンサーをよけながらマスクを手に入れる手筈です。
マスクを手に入れたすぐ後に、警備員が巡回に訪れ警報が鳴り響きますが、2人は無事に脱出していました。
喜びを隠しきれないジンに対しマックは「保険会社の回し者なんだろう?」と問いかけます。
ジンは、パスワードを盗むためだと言い大きな盗みの話を持ち掛けます。
マレーシアにある、インターナショナル・クリアランス銀行を狙ったものだった。
2000年問題のため元旦にコンピューターの電源が切れる30秒間を狙ってジンの作ったディスクをダウンロードさせると、自分の口座に80億ドルの金が振り込まれるという計画でした。
自分には10億だと聞いていたマックは準備に3週間かかると言い始めるが、それはマックの駆け引きで、ジンはしぶしぶ応じ、山分けにすることに。
この計画に必要な、アイテムを何とか無事に入手し、ついに大晦日作戦決行。
監視カメラを操作し、無人に見えるエレベーターに乗って2人は目的の階へ。
順調に進み、メインコンピューターの電源が落ちた隙に接続にも成功し、金を奪うシステムのダウンロードも完了し、喜ぶジン。
作業が終了し、繋いだパソコンを外そうとした際に警報が鳴り響き、2人は急いで逃げ出します。
監視カメラの細工は、監視室に居たヘクターに気づかれ、エレベーターを止められ、急いで連絡通路をつたい向かいの建物に逃げますが、警察とSWATに追い詰められます。
マックを一人用のミニパラシュートを渡し、ジンを換気シャフトから逃がそうとしますが、ジンは、「また会えるの?」と聞き、マックは「明朝6時半プードゥー駅で、遅れたら死んだと思え」と答えジンを逃がします。
翌朝、プードゥー駅で一人マックを待つジン。
時計は6時半を回り、諦めかけた時。マックが現れます。
マックは2年前にFBIに捕まっており、ジンを捕まえるための取引を結んでいたのでした。
すぐに逮捕しなかったのは、「君の力と、自分の力を試したかった。」というマックに対して、パートナーだと信じていたのに!と憤るジン。
今まで盗んだ、絵とマスク、そして70億ドルは引き渡したから諦めろ、10億で我慢しろと言いジンのポケットにパスポートと現金を忍ばせ、逃がそうとします。
マックは「万全の罠に君だけが予想と異なった」「君はこれからだ」と自身を人質にさせ、滑り込んできた電車でジンを逃がします。
電車に乗って走り去るジンをFBIは次の駅に先回りに向かいます。
役目を果たしたマックが一人、駅のベンチに座っていると、反対方向に向かう電車から、ジンが現れました。
スピードが落ちた時に飛び降り、反対向きの電車に飛び乗ったとのこと。
2人は笑顔で次のターゲットについて話すのでした。
エントラップメント見どころ
「罠にかける」「おとり捜査」という意味のタイトルがついたこの作品の3つの見どころについて解説します。
- 39歳差の恋の行方
- 結局、罠にハマったのは誰!?
- ラストシーンが爽快!
39歳差の恋の行方
イケオジことショーンコネリー(69)と魅惑のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ(30)当時の年齢ですが、なんとその年の差は39歳!
絵になる二人ですね。
世界的な美術品専門の泥棒役で、思慮深く、クール。
ジンに思わぬ感情を抱いてしまった際の優しさともとれるような行動がまたいいんです。
一方の、キャサリン・ゼタ=ジョーンズは、赤外線レーザーを避けるトレーニングでその美しい身体をしなやかにふんだんに使い魅せてくれましたね。
何かの舞いのようにも感じるほどの振る舞いでした。
1998年にアメリカの週刊誌で最も美しい人物にも選ばれてましたね。
お互いがお互いを利用していたはずの2人でしたが、その関係の中、クライマックスのマックのセリフが印象的です。
万全の罠を仕掛けたが君だけが予想と異なった。 -マック-
いやー、久しぶりに観賞しましたが、「はわわ」ってなりましたよね。
ここまで完璧に遂行してきたマックがまさかそんな、、、。
まぁ予想出来なくはないですが、中盤で自分の淡い気持ちを拭い去るようにジンを問い詰めてた感じを考えると余計にぐっときました。
さて、皆さんにこんな言葉を贈りますね。
恋はするもんじゃない、落ちるものだ -東京タワー-
結局、罠にハマったのは誰!?
「罠にかける」という意味のエントラップメント。
話が進むにつれ実はこうなんだ!と真実が分かるシーンがいくつかあります。
- マック→2年前にFBIのティボドーに捕まっていた
- ジン→本当は泥棒だった
- ティボドー→FBIだった
この真実をもとに罠を展開していましたね。
- マック→ジンを罠にかけ逮捕に協力する。
- ジン→マックに罠をかけて捕まえると見せかけ、マックを利用して泥棒の世界記録を狙っていた。
- ティボドー→マックを利用して、ジンに罠をかけた。
絵を横取りされていたり、マスクをすり替えられていたり、何なら逮捕協力までされたことから、ジンに対しマックの方が一枚上手でしたね。
しかし最後、マックは心を盗んまれたのでこれは引き分けですね。
ティボドーは、良いやつなのか、ただの横領FBIなのか分かりませんが、逮捕の場面を機会を作ったことでマックとの取引はこれにて終了と言わんばかりの幕引きをします。
結果そこでも、1つ500万ドルのスーパーチップを4つ手に入れているので結果オーライなのでしょう。
マックを取り逃がし、信頼(恋愛感情?)を抱いていた部下にも裏切られ、「あきらめないぞ!」という捨てセリフを吐いた男がいます。
そうです。ヘクターです。
ジンの魅惑と手腕により、最後まで振り回されたヘクターが唯一何の成果も無く罠にかけられていたと言えるのではないでしょうか。
ラストシーンが爽快!
マックが自ら人質になる形で、次の電車に乗り込ませジンを逃がした直後、ジンはまたプードゥー駅の反対側のホームに戻ってきます。
嬉しさを抑えながら、線路を挟み会話をする2人。
ようやく会えたとばかりにハグをします。
そして次のターゲットの話をしていましたが、電車が通過したその後に、ぱっと姿を消してしまいます。
一瞬、純愛のようなシーンに、心なごみますが、やはり2人は泥棒なんだと思わせるラストシーンでした。
無人の駅が映し出され、どこか夢の国のホームと雰囲気が似ているような気がして、ディズニーランドから帰るときと同じ気持ちになりました。
帰りたくないな、また遊びにこよう。そんな気持ちになれたラストシーンでした。
まとめ
振り返ってみても、やはり記憶に残るシーンがあまりない印象ですね。
(強いてあげるのであれば、ジンのトレーニングシーンの艶めかしさでしょうか?)
かと言ってつらつらと日常を描いた作品でもないので少し物足りなさは残ります。
でも、古き良き映画って感じがしてこれが良い。
落ち着いたときにのんびりと見れる映画です。
是非ご覧になってください。
余談ですが、現在の史上最大の盗難はまだ記憶に新しい2018年の仮想通貨の盗難で、その額なんと「580億円」です。(ひぇー)
数々の素敵な映画をありがとうございました。
ショーンコネリーさんのご冥福をお祈りいたします。
コメントを残す