映画”ファーザー“を見ました。
アンソニー・ホプキンスが出演すると悪役かな?と考えてしまうところがすごい笑
内容はというと、認知症を抱える父親と娘のリアルなストーリー。
認知症の世界を巧みに表現しているのですが、本人の記憶や時間軸がブレブレになるので、理解が追い付かず、おかしいのは主人公なのか映画を見ている私なのか?となり、何とも言えない不安な気持ちになります。
さすがの一言。
こちらの記事では、”ファーザー”の
- あらすじ
- ネタバレ
- 見どころ・感想
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目次
“ファーザー“
公開 | 2021年1月イギリス (日本は同年5月公開) |
監督 | フローリアン・ゼレール |
脚本 | フローリアン・ゼレール |
本編 | 97分 |
出演 | アンソニー・ホプキンス オリヴィア・コールマン マーク・ゲイティス イモージェン・プーツ |
“ファーザー”あらすじ
アン(オリヴィア・コールマン)は80歳になった父親、アンソニー(アンソニー・ホプキンス)に認知症の兆候が見え始めたのを心配していた。
アンソニーにヘルパーを付けようとしたアンだったが、気難しいアンソニーは難癖を付けてはヘルパーを追い出す始末だった。
しかし、アンソニーの病状は悪化の一途を辿り、記憶が失われていくだけではなく、自らが置かれた状況すら把握できなくなっていった。
困惑するばかりのアンソニーは苛立ちを募らせ、アンに当たることもあった。
アンはそんな父親を懸命に支えていたが、気力と体力は消耗するばかりであった。(引用元:wikipedia)
“ファーザー”みどころ
認知症とは
認知症は今や聞いたことがない人はいないかもしれませんが、改めて説明すると、
記憶や思考などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすこと。
初期症状は物忘れ。
えーと、あれはなんだったかな?と名前が思い出せなくなったり、忘れ物をするようになります。
症状がゆっくりと進行していくと理解力の低下が見られたり、同じことを何度も言うようになったり、問題行動を起こしてしまうようになります。
先日、私も認知症のおばあちゃんと話をする機会がありましたが、同じ話を何度もして、その度にさっき聞いたよ~と笑い合っていました。
まだ、軽度なことやご本人の性格が明るいこともあり、問題行動というほどでは無かったですが、少しぞっとしました。
そして、少し調べてみたところ、認知症はどんどん増えているということ。
厚労省の調べでは、2025年には65歳以上の認知症患者はおよそ700万人。
高齢者の5人に1人は認知症患者という数字も出ています。
何より恐ろしいのは治療法がないということ。
認知症は発症すると直す方法はなく、個人差はありますがゆっくりと進行していく病です。
最近では、進行を出来るだけ遅らせる薬が出てきていますが、それでも完全に止める・直す手立てはないとのこと。
他人ごとではないと心に刻みました。
認知症の人から見える世界
アンソニーが認知症を患っているというストーリーの中でアンソニーの主観の進行と現実の進行(認知症のせいで記憶の混濁・時系列の崩壊)が順不同に訪れます。
アンと二人暮らしに見えた次の瞬間、ダイニングでくつろいでいる謎の男。
お前は誰だと問いかけるともうずっと一緒に住んでいるじゃないですか?と答えがくる。
アンソニー本人の記憶が、アンと二人暮らしだったときとアンの夫の三人暮らしになったときとがごちゃ混ぜに訪れる。
あくまで、アンソニー主観のため、見ているこっちは何がなんだか分からない。
話が進み、実際の状況が掴めてくると、認知症という病気に恐怖を覚えます。
そして、家族の気苦労は計り知れないなぁ。
“ファーザー”ネタバレ感想
この作品はパリで人気を呼び、ニューヨークのブロードウェイなど30カ国以上で上演され、絶賛された舞台の映画化作品です。
フロリアン・ゼレールがこの作品で長編映画初監督として挑戦しました。
実の父親が認知症を患った娘の生活と決断の話
実際一言でいうとこんな感じですが、それだけではないサスペンスの雰囲気がずっと付きまといます。
アングルを変えてまったく別の家に見せてみたり、アンソニーの記憶の乖離を利用して、違和感を演出したりと不安を煽る描写が物語の深さを演出しています。
認知症を患った人の世界を、記憶軸や時間軸を利用してミステリーとして表現しているところが今作の素晴らしさなんでしょうね。
これがまた他人事ではないので余計に怖い。
音楽にも不穏な雰囲気を与えていますね。「耳に残るは君の歌声」が劇中の様々な場所で流れます。
アンソニーがよく聞いている曲ですが、途中同じところばかり流れるのも不安を煽りますね。
アンソニー・ホプキンスは、第93回アカデミー賞で『羊たちの沈黙』以来2度目の主演男優賞に輝きました。
誰もがこの恐怖に向き合う可能性があります。
是非ご覧になってください。
同じくアンソニー・ホプキンスの名作。こちらも是非ご覧ください。
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