こんにちはつむりです。
ただの映画好きがただ何となく感想を述べるブログへようこそ。
『時をかける少女』など、名作を手掛けている細田守監督が、”兄妹”をテーマに描いた長編オリジナル作品第5作品目『未来のミライ』(2018年)。
あまり評価はよくない印象ですし、うーんと首をひねりたくなる部分もありますね確かに。
- 未来のミライあらすじ
- 未来のミライ見どころ
- 未来のミライネタバレ感想
について解説します!
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目次
未来のミライ
公開 | 2018年 日本 |
監督 | 細田守(サマーウォーズ、おおかみこどもの雨と雪) |
脚本 | 細田守 |
本編 | 98分 |
出演 | 上白石萌歌 黒木華 星野源 麻生久美子 吉原光夫 宮崎美子 役所広司 福山雅治 神田松之丞 |
キャッチコピーは「僕は未来に出会った。」
未来のミライあらすじ
4歳のくんちゃん(上白石萌歌)はばぁば(宮崎美子)とお留守番をしていました。
出産のためにお母さん(麻生久美子)とお父さん(星野源)は病院行っています。
お片付けが上手に出来なかったくんちゃんは庭で飼い犬のゆっこ(吉原光夫)と遊ぶようにおばあちゃんに言われ、庭で遊んでいると雪が降り始めます。
雪を初めてみたくんちゃんはその不思議な景色に心奪われてしまいます。
帰ってきたお父さんとお母さんと妹を見て、顔を輝かせるくんちゃんでした。
妹の名前が何がいい?と聞かれ、「ひかり」「つばめ」と答えるくんちゃんですがそれは大好きな新幹線の名前でした。
ばぁばが帰り、4人での暮らしが始まります。
子守でへとへとになり、相手をしてくれなくなったお母さんにくんちゃんはワガママを言い始めますが、なんとかお父さんがそれをなだめるべく奮闘します。
設計士のお父さんがは家での仕事が多い為、家事を積極的に手伝いますが、周りにカッコつけるクセがあり、それを見透かされ落ち込みます。
くんちゃんはお兄ちゃんになろうとしますが、愛情を奪われた気がして赤ちゃん返りを起こしてしまいます。
嫌気がさし、妹に敵意すら抱いてしまうくんちゃんは、寝ている妹のほっぺや鼻をつついて笑ったりしてしまい、おかあさんに怒られてしまいます。
泣き出した赤ちゃんとくんちゃんと吠えるゆっこ。
赤ちゃんを抱っこしながら固まるお父さんと鬼婆と言われ激怒するお母さん。
ごちゃごちゃになった部屋から泣きながら飛び出したくんちゃんに不思議なことが起こります。
見知らぬ男の人が立っており、くんちゃんの感情は嫉妬だと笑います。
その男の人はなんと犬のゆっこでした。
ゆっこもまたその昔愛情を奪われたと感じていたのでした。
ゆっこからしっぽを奪い自分のおしりにつけたくんちゃんはゆっこになり庭を走り回り、部屋を走り回りました。
元に戻ったくんちゃんは「ゆっこだったんだよ」と言い、「ゆっこはドッグフードを変えて欲しいって言ってるよ」とゆっこの気持ちを代弁し、ゆっこのドッグフードは無事に昔のおいしかったものに変わりました。
その夜、お父さんのひらめきで赤ちゃんの名前は「未来」ちゃん( 黒木華・本渡楓-幼少期-)に決まりました。
3月になり、ひな人形が飾られました。
3月4日お母さんは出張に出かけます。家事と育児の合間に仕事をするお父さんにかまってもらおうとするくんちゃん。
相手にしてもらえず庭に出たくんちゃんにまた不思議なことが起こります。
赤ちゃんのミライちゃんと同じく手に痣のある女の子が目の前に現れました。
それは未来のミライちゃんでした。
未来のミライちゃんの願いは、ひな人形を一刻も早く片付けることでした。
未来から来たミライちゃんと、くんちゃん、そして人間の姿のゆっこが協力して、こっそりとひな人形を片付けるミッションが始まるのでした。
未来のミライ 見どころ
アットホームとファンタジーの融合
山下達郎さんの「ミライのテーマ」をBGMに、とある街並み(横浜市金沢区が舞台)を上空から映し出すところから物語は始まります。
新しい家族が増えたことで起こる変化。
それは嬉しいことだけではなく、悔しかったり悲しかったり。
幸せな家族の日常をテーマにした映画なのかな?と思った矢先に現れる1人の男性。
その男性は「ミライちゃん好きくない。」と言うくんちゃんの気持ちを理解出来ると言います。それもそのはず。
くんちゃんが生まれ、最初に家族の愛情を奪われたように感じたのは愛犬のゆっこで、その男性はゆっこ自身なのでした。
この辺りで、あ、そういうことか。と少し合点がいきます。その後も、壁にぶつかる度に出会う不思議な出来事によってくんちゃんは少しずつ成長していきます。
赤ちゃん返りのくんちゃんに少しイライラしながらも家族の成長を感じられる映画です。
タイムリープ
「時をかける少女」(2006)でお馴染みの「タイムリープ」要素が今回も含まれています。
「時かけ」では、カラオケの延長に使ったり、抜き打ちテストの対策や告白を回避するためと、数時間、長くても数日くらいのタイムリープでしたが、今回は母の子供の頃やひいじいじの若い頃までタイムリープしています。
また、くんちゃんは自分の意志でタイムリープしているわけではなく、悔しいとき、悲しいときに自分の成長に必要な人と出会うようになっていました。
その原因は庭の樫の木。
くんちゃんの家族やご先祖様の時代を生きた樫の木にはそれぞれの時代がカードのようにまとめられており、そのカードをひいてその時代を体験していたようです。
現代の家族
今回の一つのテーマでもあった現代の家族像について細田監督はインタビューでこのように話されていました。
決まった「家族」という型がない時代なんです。それはこの映画のテーマのひとつでもあります。決まった型の家族を描いているのではない。もう、家族のあり方を、それぞれ自分たちで探して、自分たちで決めるような時代ですよね。
https://www.cinra.net/interview/201807-hosodamamoru
僕はやっぱり、子どもに信用される親になりたい。子どもに対して「大人には大人の事情がある」という態度をとるのは、二枚舌のようで不誠実だと思うんです。夫婦も悩みながら、模索しながら、家族をやっているし、親をやっているということを子どもに見せたほうがいいんじゃないか、と感じているんですね。
https://www.cinra.net/interview/201807-hosodamamoru
「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」などにも出演している麻生さんにはシナリオの段階からお母さん役をお願いしようと思っていたと語る細田監督。
初めて会う星野源さんの現代の父親っぷりに舌を巻いたそうです。
今回も豪華俳優陣を起用してますね。
未来のミライ ネタバレ感想
まず最初にくんちゃんのワガママっぷりにイラっとする人は多いのではないでしょうか笑
ギャグマンガのクレヨンしんちゃんとは違い、現代の家族(形は家族によって違う)の子育てと仕事の奮闘の中で、そんなにイヤイヤ言うかー。
と、子供を持つことに少し恐怖さえ覚えました。
大人が考える4歳児を演じながらも、最終的には親の言うことを理解してくれるしんちゃんに比べ、4歳児を貫くくんちゃんはかなり強敵だなぁと。
でも、子供は子供なりに考えてるし、経験の中で知らないうちに成長していくんだなと感じる醍醐味もまた育児の面白い部分なんでしょうね。
僕は子供がいないのでまだその境地には至っておりませんが。
のほほん家族物語と思いきや、家族が家族の在り方を模索しながら奮闘し、成長していくお話でした。
その中で、自分だけでは何も出来ないことや、いろんな人のささやかな思いが紡がれていることを感じさせてくれます。
また、タイムリープに突入するときの景色が時代のゆかりの景色でとても美しいなぁと感じます。
それが最後、樫の木が索引だとわかると膨大な家系図のような景色に変わり、タイムリープの仕組みが分かるのも面白いですね。
この話のキーポイントは、くんちゃんが自分を「ミライちゃんの兄」だと認識するところです。
東京駅の遺失物係に言われた「探し物は自分自身ですね」という言葉。
愛情に飢えすぎて、自分自身の存在価値や自分が何者かもわからなくなってしまっていました。
自分が誰なのか説明できなかったくんちゃんは「ひとりぼっちの国」送られることになります。
しかし禍々しい新幹線が迎えにやってきた場所にミライちゃんを見つけます。
新幹線に乗せられそうになっていた未来ちゃんを抱きかかえて「くんちゃんはミライちゃんのお兄ちゃん!」と叫ぶことで自分が兄だと認識することが出来ました。
愛情を与える側になれ、ようやく自分自身の意味を見つけるのです。
くんちゃんがワガママを言って、過去に戻って帰ってきて知らないうちに終わったという感想を持つ方も多いかもしれません。
ですが、現代の家族や成長といったテーマを感じながら見てみるとさすが細田守監督と頷ける作品になっていると思います。
是非ご覧ください♪
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