【映画】無事か無実か。「望み」あらすじとネタバレ感想。

こんにちは。つむりです。

今回鑑賞した映画は「望み」。

行方不明になった長男に対し、無実を願う父親と無事を願う母親、そして家族の在り方を描いた作品です。

SNSに影響される社会や少年犯罪にかかわる家族の想いについて深く考えさせられます。

この記事ではこちらについてまとめてみます。

望み

息子を信じたい父と守りたい母。

家族が辿り着いた答えとは？

ラストの真実に号泣必至のサスペンス・エンタテイメント。

https://nozomi-movie.jp/

望み　あらすじ

一級建築士である石川一登(堤真一)とフリーで校正の仕事をしてい妻・貴代美(石田ゆり子)は、一登がデザインを手掛けた自宅で、高一の息子・規士(岡田健史)と中三の娘・雅(清原果耶)と共に幸せに暮らしていた。

息子の規士はプロのサッカー選手を目指していたが、怪我でその夢を諦めてしまって以来暗い表情をしていた。

顔にアザを作っていたことを心配していた矢先、規士の部屋の掃除をしていた貴代美がゴミ箱から短刀の箱を見つけ一登に相談する。

短刀の使い道や顔のアザのことを問いただしても何も答えない為、一登は短刀を預かることにした。

冬休みに入り、外泊が増えた規士はいつものように、少し出かけてくるといったきり帰ってこなくなった。

貴代美が連絡すると、今は帰れないとラインで返信があったっきり連絡も無くなった。

そんなとき、動かなくなっていた車から10代の男性の遺体が発見されたというニュースを見かける。

現場から二人の若い男が逃げたという目撃情報もあり、一登と貴代美に緊張が走る。

一向に連絡がないことや報道が不安になり、警察に相談するがちょうど冬休みということもあり、子供が家に帰ってこないという相談がいくつも寄せられており少し様子を見てくださいとの返答があった。

翌朝の新聞で昨夜のニュースの被害者の名前が分かり、規士ではなかったものの高校の同級生で友人らしいことが分かる。

その後、警察が来て規士が居なくなったことを根掘り葉掘り聞かれるが、分かっている情報を開示してくれることは無かった。

警察は規士が事件に関係していると睨んでいた。

その後、一連の事件を追っているジャーナリストの内藤重彦(松田翔太)が家に訪れ、亡くなった少年の写真を借りられないかと尋ねてくる。

内藤は規士と亡くなった倉橋がサッカークラブで一緒だったことまで調べており、警察が教えてくれない情報を自分は伝えることが出来ると持ち掛けてくる。

身近で起きた事件ということもあり、一登の仕事関係や雅の周り、SNSなどで憶測の域を出ない噂話が広がり始める。

そして、マスコミが家の前に張り付くようになった。

世論に振り回され始めた頃、一登と貴代美の望みにズレが生じ始める…。

望み　見どころ

人は見たいものを見る

父は息子の無実を、母は息子の無事を願い、妹は兄の身を案じながらも自分の生活への影響を恐れ無実を望んでいました。

人間はみな自分の見たいものしか見ようとしない。

カエサル(賽は投げられた、ブルータスお前もか、など特徴的な引用句を残す。)

人間は楽観的に物事を捉えて見たり、自分の都合のいいように解釈したりする。という引用句ですが、「望み」もそんな状況が多々あります。

スキャンダルが好きな世論。

先導するマスコミ。

自分の思い通りのインタビュー記事を書くため情報を流すジャーナリスト。

そんな他人だけでなく、家族間でも望みのズレはありました。

その考えの違いは、亀裂へと繋がります。

それでも、救ってくれたのは規士でした。

一登が取り上げたナイフを一度取り戻したかに見えましたが、自分の机にしまっていた規士。

規士は父親の一登を尊敬しており、持ち出すことで悲しませたくないと考えたのでしょう。

最後の規士が家を出るシーンはあくまで、前向きで、解決の意志のあるものでした。

切り出しを箱にしまうシーンの光の優しさや、ドアを開けた時の光の入り方に優しく力強いものを感じます。

規士の見たいものは、尊敬する父に認めてもらう未来だったのかもしれません。

問題視される少年犯罪

大人だからいいということは全くないけれど、近年の犯罪の低年齢化は放ってはおけないですね。

痛みを知らないからこそ、人の痛みも分からない。

そんな声が上がってしまうほどにバーチャルの進化がすさまじい。

高山建設社長・高山(竜雷太)が言っていたセリフで、

「今のガキは素手で一対一なんて発想はねぇんだな。何人かでよってたかってやっちまうから加減も分からねぇ。」

暴力が良い事とは一切思いませんが、加減も分からない暴行よりはマシかもしれません。

昔見たニュースで衝撃だったのは、それまで野菜を切っていた包丁に手を当てて切れたことに驚いて大泣きした子供の話。

「切れると思わなかった。」

それまで野菜を切っていたのにも関わらず。

現実を見る力の無さが恐怖でしかありません。

自分自身のことでさえ想像出来ない子供が現れるのなら、他人の痛みなんて分かるはずもないですよね。

「望み」と「パラサイト半地下の家族」の類似点

「望み」

「パラサイト半地下の家族」

言わずと知れた映画「パラサイト半地下の家族」(第72回カンヌ国際映画祭＜最高賞＞パルムドール受賞)ですが、ネットでは、構図が似すぎているという風に囁かれてましたね。

こうして並べると、まぁ確かに似てると言われたらまぁそうですね。

後ろの階段や掛かっている絵なんかも同じですし、どちらも注文住宅で家族の映画。

何よりサスペンス要素が取り入れられてます。が、それ以上の繋がりはなさそうですね。

完全に誤解ですが、ただの字面の印象で「渇き。」にも関係があるのか！？と思っていたことは内緒にしたいと思います。笑

まとめ

親の気持ち子知らずとはよく言いますが、子供の気持ちも親は知らないんですよね。

子供を心配する親はいても、子供のうちから親を心から尊敬出来る人は意外に少ないんじゃないでしょうかね。

それでも、規士は切り出し(ナイフ)を机の引き出しにしまうことによって、そしてリハビリトレーナーに相談することによって父への尊敬を表明しています。

「未来は変えられる、でも何もしなかったら、何も出来ない大人になる。」

一登の言葉は規士にしっかりと届いていました。

当初はそれぞれの思いがあり、無実や無事を願っていましたが規士が亡くなり真実が分かった後に残るのは後悔でした。

もっとこうしてやれば、もっとああしてれば。

その思いを家族は抱えて生きていくことになります。

自分だったら、、と考えずにはいられない素敵な映画でした。

子供らを被害者に、加害者にもせずに

この街で暮らすため　まず何が出来るだろう

でももしも被害者に、加害者になったとき

出来ることとと言えば　涙を流し、瞼を腫らし祈るほかにないのか？

タガタメ / Mr.children

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