こんにちはつむりです。
アマゾンプライムビデオで映画「ひとよ」を観ました。
ある家族に起きた一夜の事件。
母と三人兄妹の運命を大きく変えた出来事だった。
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ひとよのあらすじ
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ひとよ見どころ
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ひとよネタバレ感想
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目次
ひとよ
公開 | 2019年 日本 |
監督 | 白石和彌(彼女がその名を知らない鳥たち、など) |
脚本 | 髙橋泉(ソラニン、ミュージアムなど) |
原作 | 桑原裕子(ランブリングハート(脚本)、バケモノの子(出演)、など) |
本編 | 123分 |
出演 | 佐藤健 鈴木亮平 松岡茉優 音尾琢真 筒井真理子 浅利陽介 韓英恵 MEGUMI 大悟(千鳥) 佐々木蔵之介 田中裕子 |
ひとよ あらすじ
15年前の大雨のある夜。
両親の帰りを待っていた高校生の兄・大樹(鈴木亮平)、弟・雄二(佐藤健)、妹・園子(松岡茉優)の前に母・こはる(田中裕子)が帰ってきます。
包帯やシップなどを貼った傷だらけの3人にこはるは晩御飯におにぎりがあるから食べてと差し出します。
おにぎりを食べる3人に「お母さんさっきお父さんを殺しました。」と告白。家族に暴力を振るう夫から子供たちを守るためだった。
一夜にして、家族の生活はがらりと変わってしまいます。
現在。
大樹は働いている電気屋の娘の二三子(MEGUMI)と結婚し、女の子を授かっていました。
雄二は東京でフリーライターとして働いており、園子は地元のスナックで働いていました。
実家の稲村タクシーは丸井進(音尾琢真)が引継ぎ営業を続けており、3人の実家もそのまま残っていました。
父の15周忌のため、お墓参りをする大樹と園子でしたが、園子はお墓参りに来たにも関わらず不機嫌な面持ちでお墓に向かって罵声を浴びせる始末でした。
その日の夜、こはるが家に帰ってきます。
母に会えることを楽しみにしていたはずの大樹と園子でしたが、いざ母親が目の前に現れると戸惑いを隠せませんでした。
刑期を終えたこはるは色んな場所で働きながら地元のほとぼりが冷めるのを待っていました。
大樹と園子が困惑している中、事情をしる稲村タクシーの従業員はこはるを温かく迎えました。
こはるが帰ってきたという知らせを受け、雄二が久しぶりに帰ってきました。
雄二が帰ってきたのにはある目的がありました。
稲村タクシーで新しく働き始めた堂下(佐々木蔵之介)は過去を隠しており、同じく従業員の柴田弓(筒井真理子)は姑を殺してしまったと言います。
様々な思いや後悔はそれぞれの一夜に繋がっていきます。
ひとよ 見どころ
一夜(ひとよ)で人生は変わる
こはるはもちろん、3兄妹もこの雨の夜以降、今までの人生とはガラッと生活は変わってしまいます。
こはるは自首じ服役することになりますし、3人はDVの父親からは解放されましたが、次に待ち受けていたのは「人殺しの子供」というレッテルでした。
そのレッテルの中で抱く兄妹の思い、そしてこはるの思い。
原作は舞台作品
原作は劇作家である桑原裕子が手掛けた劇団KAKUTA上演の同名タイトルの舞台作品です。
原作と映画版ではラストが違うようですね。
原作では、ラストで大樹が空を指さすのですが、父親からの虐待を受けていたため指が曲がってしまっていて、示したい方向に指をさせず、家族で大号泣・大爆笑で抱き合ってラストを迎えるようです。
映画版でのカーチェイスシーンは映画版のみのようです!
本格派役者児陣
監督が一番最初に考えたのはキーマンとなる母親役だそうです。
「まず裕子さんありきでした。主人公を雄二にしたといっても、核になるのは絶対に“お母さん”だから、こはるが決まらないと何も決まらない。裕子さんには何度もラブコールをしました」白石監督
https://times.abema.tv/news-article/7024467
そして今作の主役の立ち位置の次男・雄二には佐藤健。
「うちに色々秘めて斜に構えている雄二という役が、健くんに合うのではないかと思った。それにこの世代のトップ俳優とやってみたかった」白石監督
https://times.abema.tv/news-article/7024467
長男・大樹、長女・園子について。
吃音症のせいで人とのコミュニケーションに苦手意識を持つという難しい設定の大樹は、役作りに定評のある鈴木に任せたいと考えた。末っ子・園子役の松岡についても「年齢的には離れているんですけど、彼女の腹の座り方が園子(に合う)」と全幅の信頼を寄せていたといい、その結果、「本人はお酒も全然飲まないんですけど、田舎のスナックにいてもはまる。カラオケが妙にうまかった(笑)」白石監督
https://times.abema.tv/news-article/7024467
佐藤健の濡れ場や、松岡茉優のカラオケシーンは必見。
ひとよ ネタバレ感想
白石監督のもつ世界観
冒頭からヘビーな展開にも関わらず、3種3様の母に対する尊敬の心で物語が進んでいく「ひとよ」
一夜(ひとよ)に対する様々な感情はその人の者でしかなく、本当の意味でそれを共有することは出来ないんだろうなと感じます。
でも、だからこそ美しいし、だからこそ切ない。
随所に張り巡らされている白石監督の思惑に知らずにハマってしまいますね。
佐藤健の体つきや、田中裕子のネクタイの位置、大樹の指は役者本人の役作りによるもの。
ただ、食事に関しては監督の世界が光ります。
こはるが握ったおにぎりを受取はしたものの、ショックでおにぎりに手を付けられない3人。
「朝ごはんのときも雄二、目玉焼きを潰したりしていて。ちゃんと食べれないんです。関係性が良ければちゃんと食べるんだけど、あの場ではああなるんですよね。今回はこちらからも指示があったんですけど、関係性が崩れていると、自然と芝居の中で誰か一人食べるのをやめたりしてしまう。
https://times.abema.tv/news-article/7024467
何度か食事のシーンがありますが、その都度シーンに応じた世界が広がっているんですね。
堂下のセリフ「あの夜は何だったんだよ!」
タイトルの「ひとよ」の答えがここでようやく出てきます。
こはるはその問いに、
「ただの夜ですよ。自分にとって特別なだけで他の人からしたらなんでもないただの夜なんですよ。」
「でも、自分にとって特別ならそれいいじゃない。」
この映画で言いたいことのすべてがここにある。
まとめ
実際のところ、これが正しいのは誰にも分からないし、比べようもない。
でも、それでも起こりうる状況で、むしろ珍しくもないのかもしれない。
感じるのは、ここにいるのは紛れもなく家族で。
同じことで笑って、同じこと泣くことが出来る。ということ。
白石監督は「家族についての作品を作るときは、自分の家族にも向き合わなければいけない。めんどくさい作業。」と話しています。
宮崎駿さんもめんどくさい作業なくしては良作は生まれないというような話をしてたなぁ。
白石監督は自分らしく家族を見つめ、強固で厄介な縁と感じる作品はこれからも挑戦していくようです。
家族のつながりを描いた作品「ひとよ」必見です!!
家族作品と言えばこの人!
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