こんにちは。つむりです。
「魔女の宅急便」は何度も見ている作品で、もはや普通のファンです笑
そんな魔女の宅急便のあらすじやネタ話を紹介します。
ジブリネタ話が好きな方は是非ご覧くださいね。
※ネタバレもありますので苦手な方はご注意下さい。
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目次
魔女の宅急便
実はこれは、「クロネコヤマト」のCMでもあります。
「宅急便」が実は、クロネコヤマトが商標登録していた言葉で、当初問題になったようです。(一般的な言葉は宅配便。)
しかし黒猫が登場することや作品のクオリティに好感を持ち、筆頭スポンサーとなりました。
このようなCMを作ることも出来たのでお互いにとって良い結果になったようです。
公開 | 1989年 |
原作 | 角野栄子 |
監督 | 宮崎駿 |
本編 | 102分 |
声優 | 高山みなみ 佐久間レイ 戸田恵子 山口勝平 加藤治子 |
あらすじ
とある田舎町に住む13歳の女の子がいました。
名前はキキ。彼女は魔女の血を受け継いでいました。
魔女は13歳になるとよその街で1年過ごさなくてはならないというしきたりがありました。
そして13歳の満月の夜。大勢の人に見送られながら黒猫のジジと一緒に町を出ます。
キキは海の見える大きな街で暮らすことを決めますが、都会の秩序や街の人のよそよそしさに疲れてしまいます。
そんなとき、パン屋のおソノさんが店から飛び出してきます。
お客さんの忘れ物を届けに行こうとしているところでした。
キキは替わりに届けてくると申し出ます。
忘れ物と引き換えに感謝の手紙を預かりおソノさんに渡したあと、身の上を話していると、空いている部屋を貸してくれることになります。
ようやく人の温かさに触れ、この街でもなんとか過ごせる希望が持てたキキ。
自分の出来ることを仕事にしようと考え、空飛ぶ宅急便を思いつきます。
そして、初めての仕事を受けるのですが…。
登場人物
キキ(高山みなみ)
主人公。魔女の血を引く13歳の女の子。
魔女のしきたりに従い、13歳の満月の夜に町を出る。
魔法の力で空を飛ぶことが出来るので、その力で宅急便を始める。
13歳の女の子らしく、色んな壁に当たったり、悩んだりするが、たくさんの人に触れ合い、成長していく。
ジジ(佐久間レイ)
キキの相棒の黒い猫。
同じ日に生まれた黒猫を探し、パートナーとして育てていくという風習があり、ジジと過ごすようになった。
喋れる猫という訳ではなく、キキが魔法の力でジジと話している。
少し生意気な所もあるが、キキの良き理解者でもある。
トンボ・コポリ(山口勝平)
コリコの街で出会った男の子。
飛行クラブに所属しており、空を飛ぶことに憧れを抱き、空を飛べるキキに興味を持ち話しかけてくる。
軽い性格に見えるせいか最初は煙たがられていたが、徐々に仲良くなる。
飛行船のトラブルに巻き込まれるが、キキのお陰で間一髪助かった。
おソノ(戸田恵子)
親切で気前の良い性格のグーチョキパン店のおかみさん。
住むところが決まっていなかったキキに離れの空き部屋を使わせてあげることにしたり、キキの最初のお客さんを紹介してくれたりとコリコの街で最初から親切にしてくれる。
劇中は、お腹が大きかったが、エンディングでは赤ちゃんが生まれているようです。
ウルスラ(高山みなみ)
森の中で、カラスの絵を描いている絵描き。
キキが配達中に落としてしまった黒猫のぬいぐるみを拾って、破けてたところも直してくれた。交換条件としてキキは部屋の掃除をすることに。
キキが落ち込んでいるときにも相談に乗ってくれた友人。
ウルスラという名前は劇中では一度も出てこず、エンディングにも名前は登場しません。
2つのテーマ「才能」・「女性の自立と成長」
才能の話
キキが、空を飛べなくなったときにウルスラと「魔女は血で飛ぶんだ」という話をします。
魔女の血、絵描きの血、パン職人の血。
この「血」というのは才能を表しています。
宮崎駿監督も「この映画の魔法を、いわゆる魔法ものの伝統から切り離して、キキの持っているある種の才能というふうに考えました」と語っています。
「空を飛ぶ」というファンタジーな力ですが、それを一つの才能に置き換えていたようです。
誰もが何かの才能があると思いますが、それを無意識に使っているはずです。
そして無意識だからこそスランプに陥ります。
そこから、脱するためには、その才能を自分の意識の中で使う必要があります。
キキの旅立ちのシーン(無意識に飛べる)
友達から声援を受けながら、揺らめき始めるキキの髪と真っ黒のワンピース。
そして、ふわっと舞い上がったほうきが一度ゆっくり沈みかけた時にキキはほうきをパシンっと叩きます。
そして、大空へ飛びあがります。
木の上の方にぶつかり、つけられている鈴を鳴らしながら飛んで行きました。
デッキブラシにまたがりトンボを助けに行くシーン。(意識して飛ぶ)
スランプに陥り飛べなくなっていたキキはトンボのピンチを知り、いてもたってもいられなくなり、広場へと向かいます。
その途中、おじさんからデッキブラシを借ります。
トンボを助けたい一心で、力を込めて、「飛べっ!」とほうきに命令します。
次の瞬間、大空高くデッキブラシと共に飛び上がります。
しかし、制御出来ずなかなか思うように進みません。
それでも少しづつ、トンボの元へ向かっていきました。
印象的な2つのシーンですが、才能と考えると見方が変わってきます。
キキは「自分の才能」を「自分の意志」で使えるようになったのです。
またウルスラがスランプに陥ったときに取る行動を次のように話しています。
- 描いて描いて描きまくる。
- それでもダメなら描くのをやめる。
- 散歩したり、景色を見たり、昼寝をしたり、何もしない。
- そのうち急に描きたくなるんだよ。
宮崎駿監督が脚本を書かれたものなので、ご本人にも思い当たる部分があってのことかもしれませんね。
女性の自立と成長の話
自立
作品を思い出すと登場人物に女性が多い気がしませんか?
それもそのはず。
スタジオジブリの魔女の宅急便には女性の自立と成長も一つのテーマとなっています。
13才で独り立ちと言うのは現代で考えると早すぎる気もします。
しかし、すべてをファンタジーとし表現する訳ではなく、コリコの街に到着したキキは様々な洗礼とも言えるような苦難に直面します。
- 街の人々のよそよそしさ。
- 警官の職務質問。
- ホテルでの業務的な対応。
到着後すぐの起きるこのシーンでキキは、想像と現実の違いに落ち込みます。
これは、人が自立する際に待ち受けている困難にどこか似ています。
新しい場所、新しい仕事、新しい出会い。
そこには、不安も一緒にあるものです。
さきほどの3つの出来事は、キキが酷いことをされたわけではありません。
ただ、キキの描いていたものとのギャップを表現しただけなのです。
自立は簡単なことではないというメッセージが含まれているような気がします。
成長
先ほどお伝えしたように、登場人物に女性が多いのは、キキの成長を表しているからなんです。
キキ(13)→ウルスラ(18)→おソノさん(26)→コキリ(37)→老婦人(70)
この登場人物たちは、一人の女性の成長の姿というイメージがあったようで、キキの成長の過程の女性の姿なんだそうです。
この発想から、キキとウルスラの声を高山みなみさんがやるという話に発展した経緯もあるんだとか。
ちなみにコキリさんはキキのお母さんで、老婦人はキキにケーキを焼いてくれた人です。
キキがこんな風に成長していくと考えるとわくわくしますね。
魔女の宅急便ネタ話
ドーラが登場している
始めの方のシーンで、コキリさんがリウマチの薬を作っていて、その薬が出来るのを待っている老婦人がいる。
キキが天気予報を聞いた後に出発を決め、その報告をしに帰ってきたときに、老婦人に挨拶をする。
「こんにちは、ドーラさん。」
ジブリファンの皆さんなら、プレイバックしてしまいそうなシーンですが、確実に「ドーラさん」と言っています。
ドーラと言えば「天空の城ラピュタ」で出てくる空賊の船長だ。
しかし、「女は度胸だ!」という勢いのある女船長が、年齢を重ねたとはいえあれほどおしとやかになるものでしょうか?
顔つきも違うので同一人物とは考えにくいですね。
ちなみに公式の発表はないようです。
キキがジジと話せなくなる理由
「ジジの声はもともとキキ自身の声で、キキが成長したためジジの声が必要なくなった。変わったのはジジではなくキキ。」
宮崎駿監督自身がこう話していました。
魔法の力が弱くなり、ジジとも話せず空も飛べなくなったというのが、キキ自身の解釈でした。
しかし、それは不安定な思春期の心が強く影響していたんですね。
もし、魔法の力が弱まってジジの言葉が届いていないのならジジは大慌てでキキに何かを訴えてくるでしょう。
ジジはいつもと変わらない。つまり、変わったのはキキなんでしょう。
飛行船のシーン
クライマックスで訪れる飛行船のシーンは実は、後から追加されたシーンだそうです。
本来であれば、老婦人からケーキを受け取り涙ぐむシーンでエンディングに向かうはずでしたが、プロデューサーから派手なシーンが欲しいとの注文を受け付け足したそうです。
スタッフからの反対もあったそうですが、「宮さんが作るんだから、面白くなるでしょ!」という鈴木プロデューサーの説得により追加されたそうです。
確かにあのシーンがあればこその大円団ですよね。
トンボが力尽きて落ちた瞬間の音が無くなるシーンは何度見ても手に汗握ります。
まとめ
「魔女の宅急便」の好きなところは挫折から立ち上がる過程があること。
キキが練習中にほうきが折ってしまうシーンでは、心も一緒に折れてしまったように感じました。
しかし、その中で支えてくれたのは、自分が真摯に向き合った人やその人が映してくれる自分なのです。
時代に立ち向かえ!とか、世界を救え!みたいな大きな話じゃなくて、自分の手の届く人を大切にすることは自分を大切にすることに繋がる。
13歳の女の子を通して見えたそれがいつまでも胸に残っています。
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