“君の名前で僕を呼んで“はイタリアの避暑地でひと夏を過ごすエリオの家族の下に招かれた大学院生のオリヴァー。
エリオとオリヴァーの2人は次第に惹かれあうようになりますが、オリヴァーは夏が終われば帰ってしまいます。
イタリアの美しい街並みと、2人の甘く歯がゆい恋心を描いた感動の物語です。
“君の名前で僕を呼んで”
- あらすじ
- 見どころ
- ネタバレ感想
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目次
“君の名前で僕を呼んで”
公開 | 2017年 アメリカ 2018年 日本 |
監督 | ルカ・グァダニーノ |
原作 | アンドレ・アシマン (なんと出演もしてます笑) |
本編 | 130分 |
出演 | ティモシー・シャラメ(エリオ・パールマン) – (入野自由) アーミー・ハマー(オリヴァー) – (津田健次郎) マイケル・スタールバーグ(Mr.パールマン) – (星野充昭) アミラ・カサール(アネラ・パールマン) -(沢海陽子) エステール・ガレル(マルシア) – (下山田綾華) ヴィクトワール・デュボワ(キアラ) – (櫻庭有紗) |
“君の名前で僕を呼んで”あらすじ
1983年、夏。
美術史学の教授である父と、何か国語も話す事が出来る母の間に生まれたエリオ(ティモシー・シャラメ)。3人は夏の間、北イタリアの避暑地で過ごしていました。
父の助手として、夏の間大学院生を迎えます。
やってきた男性はオリヴァー(アーミー・ハマー)。自信家なオリヴァーをエリオは好きになれませんでした。
しかし、同じ屋根の下で過ごしていると、オリヴァーの能力の高さを実感し、憧れを抱くようになります。
強い言い方をしてしまったかもしれないと後悔したり、嫌われているかもしれないと不安になっていきます。
憧れのように感じていた気持ちは次第に恋心に変わっていました。
ある日、2人で出かけていたときにエリオは自分の気持ちを打ち明けようとしますが、オリヴァーはそういう話はすべきではないとなだめます。
その後、エリオは自分の秘密の場所だと言い、静かな川べりを案内します。ここで本を何冊読んだことかと話しながら。
川の近くで、オリヴァーからエリオに優しくキスをし、エリオは飛び乗るようにキスをしようとしますが、オリヴァーは「何か変わった?自制しなくちゃいけない」とエリオに話し、2人は帰路につきます。
その後、オリヴァーは出掛けることが多くなり、ゆっくり話す事も出来ず、エリオは「裏切り者」とふてくされて寝るのでした。
その後、ガールフレンドだったマルシア(エステール・ガレル)と結ばれるエリオでしたが…。
“君の名前で僕を呼んで”見どころ
ティモシー・シャラメとアーミー・ハマー
ティモシー・シャラメ
日本では「ティム」という愛称で親しまれており、プリンス・オブ・ハリウッドとも称される若手実力派俳優ティモシー・シャラメ。
この作品で大ブレイクし、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるほどに。
インターステラーが注目を集めた作品となりました。
自身の役作りに対して
「役者としてかエリオとしてかわからないけど、何事も性急にすすめたくないと感じた。これはアンドレ・アシマンの原作にも書かれているけど、最初の頃のエリオは無関心だが、心の中ではオリヴァーの自信に動揺している」
https://www.crank-in.net/news/58926/1
と胸の内を語っていました。
またピアノのシーンの為に一月半スタジオに通い、「原作の半分でも演じられれば」と必死に練習したとのこと。
容姿や才能だけではここまで登れないことがよくわかりますね。
アーミー・ハマー
新型コロナの影響で外出自粛中に激変したアーミー・ハマー笑
ソーシャルネットワーク、ローンレンジャー、クライシスなど代表作があるハマーですが、本来の好奇心旺盛な性格からモヒカンにもするんでしょうね。
近年ではスキャンダルで一線から退いていますが、続編への登場を期待したいところですね。
音楽
今作は音楽もとても素晴らしく、シーンにするすると吸い込まれていきます。
一見明るいシーンに見えても、エリオの心のもやもやを浮遊感のあるBGMで表現したり、「裏切り者」と口走るほどの心の葛藤を、休符を使った曲を使うなど細かい演出がなされています。
監督のインタビューではこう話していました。
「エリオから想像する音楽を使用したかったので、クラシックはピアノ用の曲だけを選び、1983年に流れていた曲をBGMとして使用した。」
音楽のこだわりの部分も是非楽しんでください。
両親の愛情
今作の主人公であるエリオのご両親であるパールマン夫妻がほんとに素敵。
この2人をの子供に生まれたことがエリオの一番の幸せなんじゃないかと思えるくらいです。
一見、放任主義に見えるシーンもありますが、2人はエリオのことをちゃんと見ています。
悩むことも答えを出すことにも応援してくれ、その上相談があればいつでも話してくればいいというスタンス。
劇中でも目線だけで、親の目を感じられるところがいくつかありました。
エリオに対し、(オリヴァーとのことは)とても素晴らしい関係だし、自分はその感情に蓋をしたことがある。
と腹を割って話すシーンは目頭が熱くなりました。
吹き替えも熱い
主人公エリオとオリヴァーの吹き替えを担当したのは、なんと、
- エリオ→入野自由
- オリヴァー→津田健次郎
今をときめく人気の声優の競演ということもあり、SNS上ではかなりざわざわしていたようです。
この2人のが絡むってことはですよ、
ハク(千と千尋)とななみん(呪術廻戦)の絡みってことでそれはなんかそれでえぇー!!(失礼した。)
“君の名前で僕を呼んで”まとめ
とりあえず、間違いなく胸を締め付けられる映画です。ヨカッタ。。
時代背景として、オリヴァーはアメリカにいるときにはゲイは一切認められておらず、非難の対象だったはず。
1978年には、同性愛者の擁護をした公立の教師は解雇の対象とされていたようです。
これは同性愛者は子供の敵で、それを擁護する教師も敵だという認識から行われていたようです。
僕なりに“君の名前で僕を呼んで”の意味を考えていました。
オリヴァーは最初、こんなことはするべきじゃないと気持ちに蓋をするようなことを言います。
しかし、エリオの純粋な思いに揺さぶられ、
「大人になれ、真夜中に会おう」
とメッセージを残します。
理性と本能半々ともとれますが、真夜中の時間指定は自分の気持ちの歯止めが利かなくなっていることもにじませていますね。
そして、結ばれた後のシーンでオリヴァーが、
君の名前で僕を呼んで
僕の名前で君を呼ぶ
と言い、2人は愛情たっぷりに相手に向けて自分の名前を呼びます。
最初見たときは、愛は溢れているもののなんで?と思いました。
自分だったら、自分の名前を呼ばれたい!とそう思ったからです。
ただ、時代背景などから、そうすることでオリヴァーはいわゆるクローゼットと言われる自分の性的思考を公表しないことを選んだのです。
呼んでいるのが、自分の名前であれば、それ自体が2人のにとっての合言葉になります。
そうやって愛情を確認することはあっても、表立って2人の関係を進めることはあきらめたのでしょう。
困難なのは目に見えています。未来あるエリオの道を自分が閉ざすわけにはいかない。そんな風に思ったのかもしれません。
また、古代ギリシャやたわわに実った桃やアプリコットなど、性へのメタファーともとれる描写が多々用意されています。
今ならAmazonprimevideoで視聴可能です。
原作はすでに続編が執筆されており、映画版の続編が制作よていとのこと。
グァダニーノ監督もこう言っています。
2人は将来再び出会うと僕は思う。
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