「直近50年のホラー映画の中の最高傑作」「21世紀最高のホラー映画」と評されているホラー映画へレディタリーを観ました。
ホラーとしては珍しい2時間越えの作品にも関わらず、飽きるどころかどんどん引き込まれる感覚になります。
監督・脚本はミッドサマーの「アリ・アスター」
驚かせるようなタイプの映画ではなく、ねっとりとした恐怖が絡みついてくる作品ですね。
ホラー好きは一度は見て欲しいです。
“へレディタリー/継承”について解説していきます。
- あらすじ
- ネタバレ感想
- 見どころ
広告
目次
“へレディタリー/継承”
公開 | 2018年 |
監督 | アリ・アスター『ミッドサマー』 |
脚本 | アリ・アスター『ミッドサマー』 |
本編 | 127分 |
出演 | トニ・コレット アレックス・ウルフ ミリー・シャピロ アン・ダウド ガブリエル・バーン |
“へレディタリー/継承” あらすじ
ミニチュア模型アーティストのアニー・グラハム(トニ・コレット)は、長年疎遠であった母エレン(キャスリーン・チャルファント)の死に複雑な気持ちを抱えていました。
葬儀に参列してもその気持ちは変わらず、その後グループ・カウンセリングに参加するようになります。
アニーはカウンセリングの席で、母が解離性同一性障害を発症していたことや、父が精神分裂病で餓死したこと、兄が被害妄想が原因で自殺したこと、そして自身も夢遊病に悩まされていることを語ります。
彼女は先天性遺伝による精神疾患がいずれは自分の子ども達にも発現することを心配していました。
アニーの息子のピーター(アレックス・ウルフ)は友人宅のパーティーに行くため、学校のバーベキューがあるからと嘘をつき車を貸してほしいと、アニーにお願いします。
アニーは妹のチャーリー(ミリー・シャピロ)も一緒に連れて行くように言います。
ピーターは友人達とマリファナを楽しむためにチャーリーに「ケーキをもらってここで待っててと言います。」
しかし、ナッツ入りのケーキを食べたチャーリーはアレルギー発作を起こしてしまい、呼吸困難を起こします。
急いで車に乗り込み病院に向かいます。
苦しむチャーリーが呼吸が楽になると思い、車の窓を開け顔を出した時、ピーターが路上にあった動物の死骸を避けるためハンドルを切ります。
運悪く電柱とチャーリーの頭部が激突します。
ピーターはショック状態になり誰にも何も言えないまま、自宅の寝室に戻ります。
一睡もできないまま迎えた翌朝、買い物に行くと車に向かったアニーは頭部のないチャーリーの死体を発見し叫び声をあげます。
チャーリーの葬儀を終え、家族の関係が少しギクシャクし始めます。
そんな折、グループカウンセリングで知り合ったジョーンと降霊会を行う。
それを体験したアニーは家でチャーリーを呼び出そうと家族を集めるが…。
“へレディタリー/継承” 見どころ
「コッ」という音。
予告編でも何度か聞こえる音ですが、チャーリーが舌を鳴らす音です。
これはただのクセかと思われた人もいるかもしれませんが、教室でピーターにだけ聞こえるシーンがあったり、クライマックスでピーターの背中に光が吸い込まれた後に、ピーター自ら「コッ」と舌を鳴らします。
これはチャーリーに憑りついていたペイモン(地獄の王)が、ピーターに乗り移ったことを表しています。
エレンの首飾り
冒頭で亡くなったエレンが首にかけているネックレス。
初めて見たときには気にもかけていませんでしたが、このマークにも伏線がありました。
エレンの持ち物の本や、よく見ると、チャーリーが事故にあった電信柱にも刻まれています。
実はこれは、地獄の王「ペイモン」を召喚するためのカルト宗教のシンボルマークなんです。
エレンはこの集団で王妃と呼ばれていたため、葬儀に参列した人の多くはカルト信仰者でした。
アニーの兄の自殺の真実
自殺をしたとされる、アニーの兄の遺書には「母さんが僕の中に何かを招こうとした」ということが書いてありました。
これも被害妄想から来たものかと思われていましたが、実際にはピーターと同じようにペイモンを乗り移らせようとしていたことが分かります。
ペイモンとは
こちらはペイモン(またはパイモンとも呼ばれる)の紋章だそうで、実際にヨーロッパの伝承や悪魔学に登場する悪魔です。
このマークもエレンの首飾りに類似してますね。
また、ペイモンが人前に現れるときには、王冠を被り女性の顔をし、男性の姿で現れるそうです。
エレンは墓を暴かれた後首無し死体になり、アニーも何かに憑りつかれ自ら首を切り自殺。
チャーリーは事故で頭部を失っており、家族の女性だけが首が亡くなる悲惨な死を迎えていること、ペイモンを宿すのは男性でなくてはならないことはこの辺りから来ているのかもしれません。
裏切り
偶然を装い、親身になって自分も同じなんだとアニーに寄り添ってくるジョーンですが、彼女にもある思惑がありました。
初めて会うようなフリをしていましたが、エレンの遺品のアルバムに仲良く映る写真が残っており、ジョーンもまたカルト宗教の信仰者でした。
部屋の中には、ピーターに儀式を行うような模型が残されており、ピーターの身体にペイモンを宿らせる準備を行っていたのもジョーンだったのです。
ミッドサマーにもあった展開ですね!
“へレディタリー/継承” 感想
じわじわとちゃんと怖い。
“へレディタリー/継承”はクライマックスまで激しい怖さは無いんですが、前半からアリ・アスター監督らしく何か異様な空気をまとっています。
伏線がいくつもありますが、それをしっかりと回収してくれるので点と点がしっかりと線になるのもこの映画の魅力かもしれません。
一番に思ったのはスティーブがほんとに可哀そう!!
エレンの狂気じみた召喚のせいで、巻き込まれた一家も可哀そうではあるんですが、精神的にグラグラになってアニーやピーターをただ一人冷静に支えてたのに、、、。
「21世紀最高のホラー映画」と称されてましたが、確かに面白さも怖さもある素晴らしい映画でした。
ただ、個人的にはオカルトに振り切ってほしくなかったなぁ。
カルト宗教を崇拝している人間の凶行らへんが良かった。
その辺りはミッドサマーがとてもおすすめ。
こちらも是非ご覧ください。
【映画】恐怖型エンターテイメント!「来る」を見たあらすじとネタバレ!
コメントを残す