“嘘を愛する女”
食品メーカーに勤める川原由加利は、研究医である優しい恋人・小出桔平と同棲5年目を迎え、公私ともに充実した日々を送っていた。そんなある日、自宅で桔平の帰りを待つ由加利のもとに、警察が訪ねてくる。桔平がくも膜下出血で意識を失っているところを発見されたのだが、桔平の所持していた運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたものだった。
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“嘘を愛する女”は1991年に朝日新聞に掲載された、「旦那の経歴がすべて嘘だった」という驚きの事件に基づいた映画作品です。
”嘘を愛する女”
- あらすじ
- 見どころ
- ネタバレ感想
について解説します。
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目次
“嘘を愛する女”
公開 | 2018年1月 日本 |
監督 | 中江和仁(劇場版きのう何食べた?) |
脚本 | 中江和仁、近藤希実 |
本編 | 117分 |
出演 | 長澤まさみ 高橋一生 吉田鋼太郎 DAIGO 川栄李奈 黒木瞳 |
あらすじ
2011年3月11日。
東北地方で起きた地震の影響が都内にまで及び、電車から避難する人の波に飲まれ気分が悪くなり、人ごみの中でうずくまった川原由加利(長澤まさみ)に「大丈夫ですか?」と声をかけたのは研修医の小出桔平(高橋一生)でした。
これがきっかけで、桔平は由加利の部屋で同棲するようになります。
食品メーカーで働く由加利は、ウーマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれるほどのバリバリのキャリアウーマン。
仕事に生きていましたが、同棲5年目を迎え、桔平との結婚を考えるようになっていました。
ある朝、桔平がネットでフィギアを探していました。
そのフィギアはすでに同じものを持っており、「また見てるの?もう持ってるでしょ?」と聞くと、「昔持ってたのはちょっと違うんだよ。」といいこだわりがあるようでした。
夕食時に、母親が会いたがっていることを伝えると、乗り気ではなかったがしぶしぶ承諾します。
しかし、当日、桔平は来ませんでした
携帯を持っておらず連絡することも出来ないまま、家に帰るが家には誰もいませんでした。
その夜中に部屋に警察が訪れます。
由加利病院に連れてこられ、桔平がくも膜下出血で倒れたことを告げられます。
その後、警察に小出桔平さんに間違いないですね?と聞かれます。
そう確認された後、免許が偽造であること、住民登録に小出桔平という人間はいないということを警察から告げられます。
事態を飲み込めない由加利は、桔平が研修医として働いているはずの病院へ向かうが小出という人間はいないと言われてしまいます。
桔平の素性を調べてほしいと警察に相談してみても、借金取りから逃げてきた人などたまに偽名を使う人間はいると言われろくに話も聞いてもらえませんでした。
騙されていたと感じた由加利は桔平の荷物をゴミ袋に詰め込み始めます。
しかし、思い出すのは桔平との幸せな時間。
由加利は親友の叔父で探偵の海原匠(吉田鋼太郎)に桔平の素性を調べてもらうよう依頼します。
調査を始めた海原は、由加利の家の郵便ポストをあさる心葉(川栄李奈)を見つけ、後をつけます。
そして、働いている喫茶店をつきとめ、由加利と二人で桔平のことを教えてほしいと詰め寄ります。
すると、彼はこの喫茶店でいつもパソコンで何かを書いていたと言います。
素性などは知らないがかっこいいと思い好きになったと話す心葉。
パソコンを持っていないはずだという由加利でしたが、心葉はパソコンをしまっている場所を知っていました。
パソコンを開くと、中には原稿用紙700枚もの未完の小説がありました。
舞台になっていた瀬戸内に由加利は心あたりがありませんでしたが、海原の助手である木村(DAIGO)は小説を読み込み、登場する夕日と灯台の場所に目星をつけていきます。
由香利は自分でも桔平のことを調べようと瀬戸内に行くことに…。
“嘘を愛する女”見どころ
新聞記事からインスパイアされた作品
1991年11月、朝日新聞の記事の見出しに、
「夫は誰だった」とありました。
5年間内縁だった夫が病死したため、死亡届を出そうとした際に身分証明書などが偽造であったことが発覚し、勤務先の病院なども訪ねてみたが、該当する人はいないと言われたという衝撃の記事でした。
医者だと言っていたはずなのにどれだけ体調を崩しても病院に行こうとはしなかったとのこと。
不審に思った妻が働いているはずの病院を訪れますが、そんな人はいないと言われ、夫を問い詰めますが、真相を話すことなく亡くなってしまったそうです。
最後には「死ぬしかなかった。本当は生きていたかった」という言葉を残していたそうです。
調べてみると、この話には続きがあり、この新聞広告のせいか、行方不明になった夫を探していた本当の奥さんが現れ、その人の元に戻ったとのこと。
中江和仁監督が、この記事から着想を得て作ったオリジナル脚本が原作となっています。
魅力的な役者陣
長澤まさみ・高橋一生・吉田鋼太郎・DAIGO・川栄李奈・黒木瞳という間違いない役者陣ですね。
個人的には、探偵チームの吉田鋼太郎&DAIGOペアがかなり良かった。
最初は、探偵の仕事と言いつつも由加利に少し吹っかけた金額を請求するし、今年のウーマンオブザイヤーと知り、もっと吹っかければよかったー!などと漏らしますが、だんだんと由加利の本気度に引っ張られ、探偵としての経験をフルに活用してくれるようになります。
吉田鋼太郎さんのお茶目な部分もありつつ、クールな役どころも良かったですし、DAIGOさんのもっさい感じ出しながらも仕事出来る男感も良かった。
忘れてはいけないのは川栄李奈さん。
ゴスロリのストーカーの怖さと純粋さを絶妙に演じてましたね。
小説版にも注目
原作は映画の脚本ですが、”嘘を愛する女”は同じタイトルの小説版があります。
岡部えつさん(枯骨の恋、残花繚乱、など。)による映画の小説版。
映画の小説版ではあるんですが、しっかりと小説としてリメイクされた部分がまた楽しく読めること請け合いです。
まず、映画版では、由加利目線で描かれていますが、小説は桔平目線寄り。
また、ラストの展開にも変化があります。
是非ご一読ください。
“嘘を愛する女”ネタバレ感想
由加利目線で描かれている作品なのでやはりどちらかと言えば女性の方が楽しめると思います。
実際に起きたことをベースに作られているので話にも説得力はありました。
序盤で倒れた桔平がたくさんの嘘を重ねていたため、一気に信じられなくなる由加利。
結婚を考えていた人がそうなってしまうのはどれほどの苦痛を伴うでしょう。
また、実際に起きた話にも700ページに及ぶ原稿用紙に綴られた小説があったそうです。
背景の詳しい事情は明かされていませんが、実際に女性二人をだましていたわけですから、非難されても仕方ありません。
しかし、映画の中ではその判断も仕方無いかもしれないと思わせる配慮やラストがあるので救われます。(個人的に好きな流れ笑)
しかしまぁ、事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものですね。
ちらりと出てくる黒木瞳さんも素敵でした。
地方の小料理屋はこんな人がいてほしいなぁ。
是非ご覧になってください。
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